工法紹介Method
工法03.Method -03-
補強工
補強工とは
補強工は、クリスタルライニング材を塗布した後、炭素繊維またはガラスクロス(補強繊維シート)を貼り付け、 その上に再びクリスタルライニング材を塗布して仕上げるクリスタルライニング工法の施工方法のひとつです。
工法特色
炭素繊維シートやガラスクロスとの組み合わせで、防食と同時に構造補強(無筋構造物等のひび割れ拘束効果・錆鉄筋部位の構造補強)が可能です。
施工手順
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【1】はつり・洗浄・断面修復等を行う
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【2】クリスタルライニング材塗布(下塗り)
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【3】炭素繊維またはガラスクロス貼付
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【4】クリスタルライニング材塗布(仕上げ)
関連動画
炭素繊維による補強工事
炭素繊維を使用した強度は、1㎡当たりの鉄筋換算値としては、1層当たりD10@200(縦横分)に相当します。
炭素繊維と組み合わせたコンクリート曲げ試験
コンクリートのみ(材令28日)
炭素繊維補強炭素繊維補強コンクリート+クリスタルライニング材+炭素繊維(施工後7日)
BOXカルバート天井 補強ライニング事例(炭素繊維1層)・・・腐食した断面分の鉄筋量を補う
施工前
施工中
施工後
ガラスクロスによる補強工事
製管工法の断面変化部 補強ライニング事例(ガラスクロス3層)…FRPハンドレイアップ同等
施工前
施工後
クリスタルライニング内面補修工法の性能試験(管きょ内面での検討事例)
炭素繊維を下水道施設に採用できた
クリスタルライニング工法の技術
『炭素繊維』は、軽量で強度に優れた先端機能材料といわれ、「航空・宇宙航空機分野」「環境・エネルギー分野」「医療分野」など、多方面で幅広く使用されています。「建築・土木分野」においても、橋梁などのコンクリート構造物に貼り付け、耐久性の強化や耐震補強の目的で、多く使用されています。
『炭素繊維』は、橋梁等のコンクリート構造物には早くから使用されてきましたが、下水道施設等の湿度の高い場所では、炭素繊維を貼り付けるための樹脂が、高湿度環境下では硬化養生できないという問題がありました(マンホール内は蓋を閉めると湿度85%以上になってしまう)。しかし、「高湿度環境下での硬化養生が可能」という特性を持つ樹脂として、『クリスタルライニング材』が登場し、炭素繊維を使用した補強工が開発されました。
こうして、下水道施設等の分野にも、
高性能な「炭素繊維」を活用できるようになりました。
地震に強い補強工の実例
- 2011年3月11日東日本大震災
M9.0(最大震度7) - 2011年4月7日宮城県沖地震
M7.1(最大震度6強)
施工箇所に異常なし
液状化地域の追跡調査1号人孔(ガラスクロス補強工)〈千葉県内〉
2007年施工
2011年3月調査
追跡調査2008年施工 2012年4月調査〈宮城県内〉
管口補強 異常なし
人孔目地部 異常なし
人孔斜壁部 異常なし